藪の中で遊んでいたらヒッツキムシだらけになった。
コセンダングサってやつです。
せっかくだからじっくり観察してみると、さすがの進化の妙。
ダーウィン先生もビビるくらいのヤバイ構造をしていました。
こんなもんが自然淘汰で獲得できるものなのか?
ほんとうに進化って不思議ですね。
近所の異世界を散歩して、いろいろと妖しい生命体にも出会えました。
異世界(=近所の河川敷の藪)を徘徊
近所には異世界(=河川敷の藪)がありまして、そこの藪をかき分けて散歩するのが好きなんですよね。
ここいちおう道です。(^^)/
石がゴロゴロ、地面はウネウネ、草や木の枝がうじゃうじゃしていて足場が悪いのです。
こういうところをバランスを取りながらエッチラオッチラ歩いていると、
ダラけた肉体を適度に刺激して、筋肉と神経の機能を回復させる効果がある。
って聞いたことがある。たしか…
つまり体に良いってわけだ。
オレの体のことなんて、心配してくれる人はだぁれもおらんし、
下手すれば「くたばっちまいな」とか思ってる連中ばかりに決まっている。(被害妄想)
だからせめて自分の体の心配は自分でしようって思ってさ、
わざわざこういう足場の悪いところを歩き回ることにしているのだ。
それになんといっても、ここには二足歩行する動物(ヒトカス)どもがいなくて、コミュ障をわずらっているわたしにとって心落ち着く異世界なのです。
立しょんだってやり放題だ。
逃げ惑う虫けらどもに、股間のアベンジャーの弾幕を浴びせながらカニ歩きだってヤリ放題。
自由ってこういうことだと思う。
まぁ去年まではそんな感じだったんだけど、今年の夏の大雨の増水で水没したらしく、
いろいろ押し流されて地形が変わってしまい、道が消滅していた。
さらに 2023年は全国で熊さんが大暴れしてる。
熊さんは川を伝って人里に降りてくるって話だしねぇ。
怖いから深いヤブの中に分け入るのはやめておいたけど、残念ではある…
本日は 2023年10月30日 月曜 秋。
やっと過ごしやすい季節になりましたが、それにしてもすでに11月近いというのにTシャツ姿で汗をかく陽気なんだから首を傾げてしまいます。
ちょうど文化祭の時期だけど高校の頃の文化祭を思い返すと、
すでに寒くて長袖のジャケットを着ていたと思う。
消えてしまった道を探して、汗だくになってウロウロしていたのはこんな場所です。
あたり一面にコセンダングサの草原が広がる異世界だ。
そりゃヒッツキムシまみれにもなるわな…
辺りがぼやっと赤紫に見えるのは、紅葉したコセンダングサの茎の色です。
コセンダングサ
コセンダングサってこんなヤツです。知らない人はいないでしょう。
一本だけ観察用に持って帰ってきました。
コセンダングサ(小栴檀草、学名: Bidens pilosa var. pilosa)は、
キク科センダングサ属の一年草。道端や空き地などに生える雑草。
●分布
北アメリカ原産で、世界の暖帯から熱帯にかけて広く分布する。
日本では明治時代に確認された帰化植物。
関東地方以西の河原や荒地などに広く分布する。
環境省による外来生物法により、生態系被害防止外来種に指定されていたが、2022年には外されている。
出典: wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B5
花期は 9~11月。(野に咲く花)
出典:コセンダングサ(小栴檀草)
https://matsue-hana.com/hana/kosendangusa.html
コセンダングサも原産国はアメリカだったんですね。
わたしが子供の頃はコセンダングサよりも、アメリカセンダングサがたくさん生えていました。
コセンダングサとアメリカセンダングサでは、種の形がちがいます。
アメリカセンダングサの種はこういうやつです。
自分では見つけられなくて、よそ様のブログからの引用です。
出典:野山でカシャ!ブログ
http://blog.ykun.net/?eid=1036048
犬の顔を正面から見たような種の形がアメリカセンダングサの特徴。
耳に当たる部分がトゲだね。愛嬌がありますよね。
一方のコセンダングサは、棒の先に三又のフォークが付いたような感じで、まさに銛のフォルム。
わたしはアメリカセンダングサの種の方が可愛いから好きです。
コセンダングサの種はなーーんだか禍々しくていかんのよ。
ひっつきむしの構造(コセンダングサ)
コセンダングサの蕾はこんな感じで、細かい花が一杯詰まった感じ。
キク科だということが頷けます。
完熟すると、このようにパカッと開きます。
これは皆さまお馴染みのウザイ奴ですよね。
種のサイズ感はこのとおり。
短いので 10mm、長いので 15mmってところです。
種にズームイン!
キャーーーッ、虫とか甲殻類の脚みたいで若干きもい。
小さいものって、拡大するとキモイ見た目をしていることが多いなぁ…
なんて思うけど、それがカニみたいに旨かったら印象は180度反転するのだから勝手な話です。
さらにズームしてみましょう。
ちょっとピントがうまくないのですが、トゲトゲが先端部と基部で逆向きになっていることが見て取れます。
あーこりゃくっつくわけだわ…
さらに2千円で買った、メーカー不明の中華製マイクロスコープの画像もご覧あれ。
なんだか殺気が漂うやばいフォルムです。
バーサーカーとかが振り回していそうな、魔界のエモノ的オーラを放っています。
コセンダングサは食えるのか?
食えるのか食えないのか? という事であれば
食えます! って話です(;^ω^)
「旨い」って言ってる人も居ましたが、どうもこの手の人の言う「おいしいですよ」くらい信用できない言葉はありませんからねぇ…

かなり苦いようです…

で、わたくしはというと、挑戦は来年だな。
旬は完全に外れてしまって、「花が咲く前」どころかもう枯れ始めてるもんね。
見てくらさいよ、紅葉してるやんけ。
こんなもん食えません。(;^ω^)
食えないけど、コセンダングサの茎は赤紫色に紅葉して意外と綺麗なんですね。
妖しきビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)
食える草は無いかな~
おいしー草はないかな~♪
そんなことを思いながら河川敷の異世界を彷徨っていたら、
なんとも奇妙で妖しさ満点の植物を発見!
地面に広がった黄緑色の蛍光色の葉。
その真ん中から1本だけ、不自然に長く伸びた花茎がピンコ立ちしている
1mくらいあんじゃね?
見れば見るほど日本の景色に溶け込まない異形。
あんたぜったい日本に居てはいかんヤツだろ。
みょーーーんって伸びちゃって、まぁご立派…
上から見下ろしたところ。
花まで咲かせちゃって…
葉は薄黄緑の蛍光色で、細かく短い毛で密に覆われている。
そのせいかピントが合わない…
群落があった。
最初はまわりのヤツみたいに、地べたに広がった葉っぱだけなんだけど、
いきなり中心からニョキニョキと花茎を1mくらい伸ばしてくる…
ムラムラしたのかねぇ? 知らんけど…
これはまだ花茎を延ばす前のお姿。
あれ? 調べたところ、珍しくもない日本全国に分布している帰化雑草だそうです。
知らなかったのはおれだけか…
でも荒れ地に突然、パステルカラーでピンコ立している姿は日本では妖の姿だぜ。
■ビロードモウズイカ
日本におけるビロードモウズイカの分布域は30以上の都道府県に及び、日本において「成功した帰化植物」の一つと考えられる。
●医療
なんと、ビロードモウズイカが茶として売られてた
こいつは食えないクセにいろいろと薬効があって、お茶として商品化されていました。
呼吸器系のトラブルに効果があるみたいだから、わたしも喘息気味だから使ってみようかな?
ビロードモウズイカは食えるのか?
食えません! こいつには毒があります。
種子はサポニン、配糖体、クマリン、ロテノンなどを含み、魚類に対して呼吸困難を引き起こすため、毒流し漁のための魚毒として広く利用されてきた。
魚には効果的な毒があって、毒流し漁なんていう鬼畜な漁に使えるそうだけど、
哺乳類に対しては強毒ではないらしい。
でも食えば人間もお腹を壊すそうなので、正気の人は食べない方が良いです。
人一倍おなかが弱いわたくしは食べない方が利口だと思います。
一週間後に再び訪れてみたら、早くも枯れ始めていました。
花茎を伸ばさぬまま枯れようとしている株もあったけど、
これって成長が季節に追いつかなかったってことなのだろうか?
後ろに写ってるアレチウリどもも黄色くなり始めていて、今年は一段と秋が短かったな。
この写真を撮ったのは 2023年11月 6日 。
それなのに半袖Tシャツ姿で汗びっしょりだった。
この日の予想最高気温は、驚きの26℃!
今年の気候はなんか変…
食ったぜカラムシ
なんか食える草は無いものかと、さらにキョロつきながら散策するのだけど、
あたりはコセンダングサとアレチウリばかりだった。
こいつらは食えないこともないけど、旨いとは言い難いもんなぁ…
異世界の散歩コースも終わりに近づいたところで、旨そうなセイヨウカラシナを見つけました。
こいつはガチで旨いのだけど、生えているところが民家のそばだったんだよなぁ…
なんとなく人手で植えられている気配があって、採取するのは遠慮した方が良さそうだったので写真を撮るだけにしておいた。
河川敷だから法的には採取してもかまわないけど、誰かがわざわざ植えたものを勝手に採るのは気が進まないからね。
なぜか食える野草は民家の近くに生えている傾向があって困るんだよ。
こんどはカラムシを見つけました。
こいつは食えます。
このカラムシだって墓地の横の階段の脇に生えていて、写真は撮ったけど採取するとなると勇気が必要だった。
何故ならこういう時に限って、綺麗なお嬢さんがこの狭い階段を降りてきたりするからだ。
あからさまに「オレこれ食います」的な勢いでワシワシ摘んだりしていると、
おねぇさんはキモイ虫に向けるような、嫌悪の視線をおれにぶっ刺してくるに決まっている。
おじさんは見かけどうりのクリスタルハートだから、そういうのに耐えられんのだよ。
で、決死の覚悟で採取したのがこちら。
先端部の葉っぱ3枚が収穫の全てです。これで精一杯でした。
我ながらチキンだと思う(;^ω^)
カラムシって裏が白いんですね。
そして葉の表面には細かい皺が寄っていて、葉先だけが細長く伸びている。
さっそく洗ってそのままモシャモシャと食いました。
一口で言うと、味も香りも無い紫蘇かな。
驚いたのは青臭さが全くないこと。
ほんでもって味もほとんどない。
柔らかくて、口に繊維が残るようなこともなくて実に食べやすい。
他のブロガーさんの食レポを見ると、葉は固いから食べるべきではないとおっしゃる方もおられましたが、たぶん下の方のゴツイ葉を食べたんじゃないかな?
先端近くの数枚は柔らかくて食べやすかったですよ。
今回は羞恥心から3枚しか採取できなかったけど、たくさん集めてお浸しにすれば美味しいと思います。刻むとモロヘイヤみたいにネバりが出てくるそうなので、納豆と和えてもいいかもね。
あと、このカラムシってやつは栄養が豊富ってことで注目されています。
皆さんは“苧(からむし)”ってご存知ですか? イラクサ科の植物で、
茎は戦国大名・上杉謙信の時代に越後上布と呼ばれる織物の貴重な原料として重宝されていたそうです。そして葉には独特の粘りがあり、モロヘイヤなどのネバネバ野菜同様ミネラル分が豊富。
身近な野菜と比べてみても“ビタミンB1はレタスの25倍、カルシウムはほうれん草の57倍、
βカロテンはにんじんの2倍、カリウムはトマトの6倍、ビタミンB2はパプリカの8倍”という驚きの栄養が!
近年、その栄養パワーが日本だけでなく海外からも注目を集めているというのも納得です。出典:レタスクラブ 2017.07.11

要約するとこういうこと
ビタミンB1 | レタスの25倍 |
カルシウム | ほうれん草の57倍 |
βカロテン | にんじんの2倍 |
カリウム | トマトの6倍 |
ビタミンB2 | パプリカの8倍 |
ミネラル | 豊富 |
カルシウムが無茶苦茶に多いけどホントなのでしょうか?
まぁ、今度また採取しに行くときには上の内容を印刷して持って行き、
「あんたナニしてるんっすか? まさか食うのかコレ」とか何とか言われた時には
防御の護符として使おうと思っています。
まとめ
- ヒッツキムシの構造は、なかなか面白い。
- コセンダングサは食えないことはないけど、食うほどのものではない。
- ビロードモウズイカって、なんか変。ゆるい毒有り。食べちゃだめ。見た目は面白い。
- カラムシは栄養満点で癖は無いけど、味もない。