その昔、わたしはFETのシンボルを見て
「なんだかゴチャついてんなぁ、なんだこれ?」
なんて言って首をかしげていました。
トランジスタのシンボルにある矢印の向きが内向きだとPNPだよな。
Nch-MOSは、Nなのになんで内側を向いてるんだ?
などと馬鹿っぽいこと考えていたんですよねぇ…
Nch-MOS FET ってさぁ
昔、わたしがまだ幼かったころ、Nch-MOS FET のシンボルを見て
なんだコレ? ごちゃついてんなぁ…
と、思っていました。
これね。
↓
若く、今よりほんの少し痛いタイプの阿呆だったわたしは、つぎのように悩んだのです。
- NPN トランジスタの矢印は外側を向いてるのに、Nch-MOS はなんで内側向いてんの?
「N なら外向きだろ!」と馬鹿吠えしたり - Nch と Pch で寄生ダイオードの向きがわかんなくなったり
- オンさせるための Gate 論理がわからなくなったり
とまぁ、我ながらイタイ無知っぷりです…
今ではやっと少しは理解したようなので、ナニがどうだったのかお伝えできればと思って書いています。
尚この記事は、物知りの賢い方々には、ここでお引き取りいただいてもよろしいかと思います。それによるあなた様の知的損失は、なぁーーんにもございませんので。
Nch-MOS FET のシンボルと、構造図の比較
Nch-MOS FET のシンボルと、構造図を並べて書いてみました。
いかがでしょうか? まさにそのまんまと言って良いくらい似ています。
一点を除いて。
違いは、シンボルの中央部にある矢印に相当する PN接合が、右の構造図には存在しないことです。(PN 接合とは、ダイオードの構造を示すアレです)
Wikipedia: PN接合 (pnせつごう、pn junction)
なぜか? それは、左のシンボル図は FET が ON した状態を表現しているのに対し、構造図の方ではまだ OFF の状態だから。
それなら ON させてみましょう。そのための回路がこれ。
この図ではまだ電池を繋いでいないので、Nch-MOS FET は OFF 状態です。
負荷抵抗を入れるのを忘れてしまったので、このまま FET を ON させるとバチッと燃えます。(だけど安心してください。これはPNGの図なので燃えることはありません)
で、Nch-MOS FET を ON させるとこうなります。
↓
Nch-MOS FET をオンさせると…
構造図の中央部の GATEに正電位を与えると、P型半導体が反転して N型半導体に変化しています。結果、そこに新たな PN接合が生まれて矢印が現れました。
そしてその右上には、これは元々あったものですが寄生ダイオードの姿があります。
こうして見ると、シンボルは実によく FET の構造を表現しています。ごちゃついてるとか思ったわたしが阿呆でした。
あ、あと、なんで GATE に電圧をかけると P型が N型に反転するのかは知りません。
魔力とかじゃないですかね?
今のところ知らなくても不都合無いから、まぁいいかな。