勝手に電源が切れる液晶TVを修理した(REGZA 19A1K) 第4話 完結編

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DIY

この記事は、液晶TV REGZA 19A1K の第4話になります。

お待たせしました。完結編です!

第2話では、二次災害でぶっ壊した部品を取り換えたにもかかわらず直らなかったので、地道な調査を行ったところ部品がまとめて逝っていたことがわかりました。

また部品を発注して、やっと届いたので今度こそはと戦いに身を投じます

壊れた部品を取り換えた結果は?

またもや動きませんでした。がーーーん…

電源基板のDC出力は、ぜーーーんぶ0Vでした。およよ…

そして取り乱す…

ビーグル1(左)
うーむ

修理失敗も、2回目になるとダメージが蓄積して辛いです。

こういう時は、酒、じゃなくて甘いもの食べると良いです。

羊羹でも食べよう…

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ちなみに YouTube 動画もございます。

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地道にPWMコントローラU101 (LD7577JACS)の、ピンの状態をチェックする

正気に戻ったようなので、PWMコントローラのピンの状態のチェックを始めます。
整流&平滑回路では、ちゃんとDC140Vが出ていたので、PWMコントローラに注目すれば問題の核心が炙り出せるはずです。(たぶん…)

 

LD7577 Controller Datasheet PDF

High Voltage Green-Mode PWM Controller

 

pin1.BNO (Brownout Protection Pin. )

ブラウンアウト・プロテクションとは、入力されている電圧が異常なときに回路を保護するための安全機能です。データシートによると、このピンに入ってくる電圧が 1.1V~3.9Vなら正常です。

ビーグル1(左)
これはOK!

測定結果は 2.5V で安定していたので正常です。

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pin2.COMP (Comparator )

このピンは電圧フィードバックピンです。トランスの二次側の平滑回路出力が、所望の電圧に達したときに Low レベルになるように、フォトカプラによって引かれます。

少なくとも 1.4V 以上ないと動作しないそうです。テスターで計ってみたところ0Vでしたので、これでは動けませんね。

猫1(右)
コレはおかしい

つまり、COMPピンが 0V なのは異常ってことです。

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pin3.CS (Current sense) & pin5.OUT (Output)

CS (Current sense) と pin5.OUT (Output) は、両方とも 0V でした。

これらは結果を示すピンであって、原因になるものではないです。動作していないのだから、こうなるでしょうね。

ビーグル1(左)
これはOK!

つまり、異常を示しているけど、異常ではない。可能性が高い

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pin6.Vcc

Pin6.Vcc の波形は、下の紫のものです。だいたい 10.0V~15.8V の、山形の波形になっています。
え? そんなふうに見えないって? 理由は↓の枠内です。

U101(LD7577JACS) の Vcc-GND にプローブ Ch1, Ch2 を繋ぎ、MATH(A-B) で測定しています。使用しているオシロは、中華製の RIGOL DS1102Z-E 。

左上のカーソルの値を示す数値は、Ch1 の GND と電圧レンジを基準にしていて、
Ch1/Ch2 の電圧レンジが 20V/div に対して、Math は 10V/div になっています。
これが理由です。ややこしいですね…

上部の紫の波形がVcc波形。MATH(A-B)にて計測。 オシロは RIGOL DS1102Z-E

テスターで見たとき 10V~15V くらいをフラフラしていたので、大丈夫なのか? と思ったりしたけど、マニュアルを見るとスタートアップ動作をするときにはそんな動きをするようです。

ビーグル1(左)
コレはOK?

異常ではない。(と、思う)

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pin8.HV (High-Voltage)

このピンは起動時の PWM がまだ動作していないときに、抵抗を介して高圧のDC電源電圧を入力するためのものです。電圧は、日本の場合は 140V。(500V までOKらしいけど、安全基準ってこういうの問題ないのかね?)

下のオシロ波形の、紫の波形がそれで、90V~140V の方形波が見えます。間隔が 300msec くらいのパルスで、それが周期的に出ています。

上部の紫の波形がHV波形。MATH(A-B)にて計測。 オシロは RIGOL DS1102Z-E

こんな方形波になって良いのか悪いのか? マニュアルからは読み取れませんでした。最低電圧もわかりません。でも、回路的にはDC140Vを 38.3KΩを介して入れているだけなので、U101 が壊れていないのであれば正常なのだと思います。

ビーグル1(左)
たぶんOK!

というわけで、正常である。(と、言うことにしておきましょう)

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ということはつまり?

猫1(右)
ってことだにゃ

異常な端子は Pin2.COMP (Comparator) だけ。
これが 0V になっているのがイケナイということ。

フォトカプラ PC101 を外してみても 0V でした。
では、なんで 0V になっちゃってるのか? それがわからない…

回路図

ビーグル1(左)
わかんねぇ…

だれかが Pin2.COMP を 0V に引っ張ってるはずなんだけど、いくら調べてもそれがどこだかわからない…

おそらく省電力制御のために、『主電源スィッチ』に、何らかの形で接続されているのではないかと思い、組み立てて動作させてみることにしました。お利口さんですね。(誰がだ?)

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そしてついに!

ビーグル1(左)
あれま!

あはは、直ってた。W

主電源スィッチのオンによる、U101 (LD7577JACS) の Pin2.COMP の挙動をオシロで観測する

気になるので、主電源をオフからオンに切り替えたときの、U101(LD7577JACS)の Pin2.COMP の挙動を調べておこうと思います。こんな感じでオシロのプローブを繋ぎました。

こんな感じにプローブを繋いで、MATH(A-B)で計測

まずは主電源がオフのときの状態。COMPピンの平均値は 0.8V程度なので、これではU101(LD7577JACS)は動作できません。電源を切っているのに 0.8Vあるのは、コンデンサに溜まってたんだろう。

では主電源SWをオンしてみます。
すると COPM ピンの電圧がジワジワと上昇を始めました!

そして最終的に COMP の電圧は 2.4V ほどまで上昇。1.4V以上あれば動作を開始するので十分ですね。(ノイズは気にしないでください。グランドがアレなので…)

もういちど COMP ピンと主電源SWのハード的な関係を、基板のパターンを追ってみたのですがワカランかった。もうイヤになってきたので、この件は忘れることにしました。(仕事じゃねーし)

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最終チェックとして、DC電源出力の顔をオシロでチェック

ビーグル1(左)
やれやれ…

DC出力に異常なし! 激しいリップルとかもありません。

オッケーだもの!

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まとめ

  1. 時間がたつと電源が落ちる件
    わかりません。直ったんじゃね? 全然再現しないし…
  2. スパークさせて二次災害の件
    「急がば回れ」ってこと。じゃないとヒデェ目にあうよ…

ここまで読んでくださった方、お疲れさまでした。
そしてありがとうございます。

これがわたしの、記念すべきブログ初投稿の記事でした。

書かなかったけど、冒頭で愛用のオシロ(Tektronix DDS220) が突然壊れてしまい、急遽新しいオシロ(RIGOL DS1102Z-E) を買いました。

でもって、せっかく壊れたんだからとばかりにオシロ修理を始め、それをネタに YouTube 動画もこしらえたりして、結局この記事作るのに足かけ1年以上かかった…

これには書いてる自分で驚きました。

ちなみにオシロはこれ。

テクトロのに比べると、重いし、ファン五月蠅いし、トロイし、操作性悪いし、
いろいろダメだけど値段が安いので黙るしかないですね。
下の動画ではダメなところをグチってます。
(9分19秒からなので、そこから始まります)
あと、キャリングケースは純正のが高かったのでこれを使っています。

オシロ・プローブ・ACケーブル、その他が一緒に収納できます。
ポケットが無いのが残念なところ…
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