このあいだのエアコン自力クリーニング作業中に、フラップが外れ落ちてしまった。
見ると、取り付け軸が砕けていました。
でも幸い破片のほとんどは確保できていたので修理することにしました。
やることは簡単だけど再発しやすいので慎重にやらないといけません。
ここは安定のエポキシ樹脂接着剤で、ガッチリ補修しようと思います。
破損したフラップの状況
うちのエアコンの機種は 2014年製 ダイキン AN40PRP-W です。
ちなみにこれは、わたしが購入したものではありません。
今住んでいる中古マンションを買ったときに、前の住人が部屋に捨てて行ったシロモノです。
フラップは2枚あるのですが、なんと両方とも取り付け部が砕けています。
下側の大型フラップの破損の状況(①壊1)
①壊1 の方は下側についている大型のフラップです。
本体の駆動用のソケットに差し込むべき軸がへし折れていますね。
また、写真ではわかりませんが、よく見ると接着剤で補修した痕跡があります。
たぶん、手で動かそうとしてヘシ折ったんでしょうね…
上側の小型フラップの破損の状況(②壊2)
②壊2 は上側の小型のフラップで、やはりこれも取り付け部が砕けていました。
こいつも接着剤での補修跡があります。こっちはハッキリわかりますね。
正常なものはこうなっています。
そしてアクチエータがこのように刺さる。
穴にアクチエータが刺さり、そのアクチエータを上下運動させることでフラップを開け閉めする構造ですが、見るからに脆弱な作りに見えます。
そう思うのはわたしがトーシローだからなんでしょうかね?
経年劣化で簡単にパキッと逝きそうに見えます。(ってか、そうなりました)
これが壊れたときの状況をわたしは知らないので、使用者が無茶やった可能性も否めないのだけれど、やっぱりこれは数年が寿命の消耗品に見えます。
でもそれって短くね?
フラップを買ったらいくらになるのか?
●2150684 ダイキン エアコン 用の 水平羽根 上
対応機種:AN63RRP-W、AN28PRS-W、ATR36RSE2-W、AN40RRP-W、AN40PRP-W、F50PTRXP-W、F71PTRXP-W、F56PTAXP-W、AN56RRP-W、AN71PRP-W、AN-63PRP-W、F40PTRXP-W、ATR56PPE1-W、AN25PRSJ-W、F56RTRXP-W、AN28RRS-W、AN22PRS-W、AN56PRP-W、ATR40PPE1-W
●2179281 ダイキン エアコン 用の 吹出グリル 水平羽根 下
対応機種:AN63RRP-W、AN28PRS-W、ATR36RSE2-W、AN40RRP-W、ATR56PPE1-W、F50PTRXP-W、F71PTRXP-W、F56PTAXP-W、F22PTAXS-W、AN56RRP-W、AN71PRP-W、AN-63PRP-W、F40PTRXP-W、AN25PRSJ-W、AN40SRP-W、F56RTRXP-W、AN40PRP-W、AN28RRS-W、AN22PRS-W、AN56PRP-W、ATR40PPE1-W、F40STAXP-W
●ダイキン DAIKIN エアコン用水平羽根 フラップ上下セット(2179281+2150684)
これが安いと思えるリッチマンは、現在の日本国にどれだけいるのだろう?
わたしは貧乏人なので自力修理だな。(;^ω^)
のら犬の愚痴
樹脂部品が見るからに脆弱な作りで、見事にそこが壊れているわけです。
まー 2013年製で、現在は 2023年だから 10年たってる。
でもさ、わたしが使い始めた3年前にはすでに壊れていたから、すくなくとも製造から7年以下で壊れているわけだ。
たぶん、全メーカーがこんな感じなんだろうと思うのだけれど、最近元気のない日本の家電メーカーの中にあって、世界の空調メーカー、世界のダイキンって言われているメーカーなのにさ、これってどうなの? って思います。
ほんとかウソかわからんけど、湾岸戦争の頃に聞いたエピソードにこんなのがありました。
産油国周辺は年中戦争をやっているから、物流が途絶えるのは当たり前。
だから、家電製品に求められる性能の筆頭は ”壊れないこと” だった。
そして実際に壊れなかった製品は日本製だけだったそうだ。
そういう実績の積み重ねが、あの地域での日本製品に「車と電気製品は、日本製しかありえへんで」という評価を与えたわけだ。
30年くらい前まではそうだったのかもね。
中東に限らず世界中で…
のら犬もあんまり関係ないくせに便乗して、大いに誇らしく思ったものでした。
ところが今じゃ、このテイタラクよ。
しかも中韓ごときに押されていて悲しいですわ… (;_;)
ジャパン・アズ・ナンバーワンって言われてたのになぁ…
修理
修理に使用したアイテムたちです。
工程1: 脱脂
修理には接着剤を使用するので、まずは接着面を脱脂します。
補修跡に残った接着剤を取り除き、接着面を無水エタノールでしつこく拭きました。
この脱脂の工程は非常に重要です。
これをやらずに油脂の被膜が残った状態では、どんなに優秀な接着剤でも機能しません。
とくにリビングのエアコンはキッチンの油煙を吸い込むので、全体が油まみれになっています。
今回修理したエアコンも、触りたくないくらい油でベッタベタでした。喫煙者がいてもヤニでベタベタなんじゃないかな?
工程2: 接着#1
まずは普通に接着します。
破断面の両側に接着剤を塗って貼りました。
使った接着剤はこれです。
信頼の2液式のエポキシ接着剤です。
2液式だと厚塗りしても芯まで固まってくれるので、今回のように補強の厚塗りをするには最適です。
5分で硬化開始する製品ですが、どん臭いわたしはもうちょっと遅いタイプの方が良かったな?
100均のに10分硬化のがあった。
たまたま手元にあったから5分硬化のを使ったけど、あれ買ってきた方が良かったかもしれない。
まぁ、信頼のコニシ製だから安心感があるからイイけどね。
裏面には A剤(エポキシ樹脂100%)、B剤(ポリチオール100%)とあって、いらんもんが入っていないところが清々しい。
軟質塩化ビニール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ゴム
ちなみに、わたしが接着剤のパレットに使っている貧乏豆腐の殻(白い奴)はポリプロピレン(PP)です。引っ張ったらバリッと剥がれました。
YouTube なんかにもたくさん動画が上がっていて、気になってそっちの用意もしたのだけれど、結局実績のあるエポキシ樹脂接着剤でやることにしました。
これは検証動画じゃなくて修理ブログだからね。
失敗したくないからこれで良いのだ。と、思う。
そして、まずは破断面に接着剤を塗って固定します。
工程3: 接着#2(肉盛り)
つぎに、破断面を接着するだけでは心もとないので
補強のために接着剤で肉盛りします。
作業は破断面の接着が実用強度に達するまで待ってから始めます。
説明書には、夏場は30分と書いてあったので余裕をもって1時間待ちました。
下側の大型フラップ(①壊1)の肉盛り
木綿の縫い糸を3重くらいグルグル巻きつけて、
そこにボンドクイック5を染み込ませて厚く盛りました。
上側の小型フラップ(②壊2)の肉盛り
こっちは細かい破片なので糸を巻きつけられません。
仕方ないのでティッシュを貼って、これにエポキシ樹脂接着剤を染み込ませて肉盛りしました。
エポキシ樹脂接着剤を塗ってすぐにティッシュを貼ったのですけど、難しかった…
まず接着剤を薄く塗って、半乾きの状態でティッシュを貼って、また半乾きさせて厚塗りすれば良かった。まーそう上手く行くかは怪しいけどね…
別角度。うーーん不細工…
ここは瞬間接着剤と重曹の方がよかったかもしれない。
もしまたここが壊れたら試してみよう。
工程4: 完全硬化 → 取り付け
今度は、24時間待って完全硬化させてから作業しました。
組み立て完了!
エポキシ樹脂はカッチカチに硬化していて、じつに安定感がありました。
じつはこのエアコンの完全な姿は初めて見たのだ。
上側の小型のフラップは、わたしが引っ越してきたときにはすでに外れて落ちていましたからね。
接着の強度は十分だと思います。
というのも、エアコンのフラップは、たわませて強引に取り付けるものなので、その際に取り付け部に強い力がかかります。今回も「あれ? はまらねーなー、うーんうーん」なんてやっているうちに、ついバカ力をかけてしまって焦ったりしました。
それでもビクともしなかったので、かなり強力に接着できていると思います。
トラブル発生
動作させてみたらば上側の小型のフラップが閉まらない。
エアコンはフラップを閉めようとしているものの、ガキッ!とかブキッ!とか不吉な音を立ててフラップは小刻みに上下するだけで閉まらない。エアコンさんはしばらく繰り返すと、諦めて半開きのまま停止してしまいました…
これは前回のエアコンクリーンビング中に、筐体からバラバラと零れ落ちてきた明らかに破損している樹脂部品たちです。たぶんこいつらに起因するトラブルなのであろう。
そしておそらくこの界隈の部品だと思う↓
これは上側の小型のフラップを駆動するためのギヤボックスです。
軸受けが木っ端ミジンコになってる?
右側の写真の、下側のギヤの中心の軸を受けているグレーの軸受けは、
おそらくギヤの軸を覆っていたはず…
ここにアクセスするには、あっちこっち外さないといけないもんなぁ…
あ゛~~、コレもうしばらくはバラしたくないんだよね。
また熱中症になったらかなわん。
涼しくなってエアコンを使わなくなってから修理しようと思います。
そもそも、これはわたしが壊したのでは無い。
このエアコンは前の住人の嘘つき爺さんが、「このマンション買ってくれたら、この高級エアコンをプレゼントしてやる」と恩着せがましくぬかして、実は捨てていったシロモノだった。(実際は、あっちこっち壊れているし、内部はカビでドロドロ、油でドロドロの産業廃棄物だった)
こんなことなら自分のエアコンを捨てずに持ってくればよかったよ…
マンションの売り主の言うことなんざ信じてはいけません。
大金が絡むと、普段は善人でも嘘をつきます。
悪党になると底なしです。シャーシャーと積極的に嘘をつきます。
嘘はこのエアコンの件だけじゃないんだよな…
まとめ
1.接着剤での修理は、接着面の脱脂が重要。
2.やっぱり信頼のエポキシ樹脂接着剤。
3.小細工するときには、接着剤の硬化時間は5分じゃ短いかな?
4.接着剤で肉盛りするとさらに強くなる。(糸で巻いて、そこに接着剤を染み込ませる)
5.不動産の売り主の言う事は信じてはいけない。(素人の高額売買の売り主は、基本大嘘つき)